Jeepers Creepers

眠れない夜を、語り明かせるシェアハウス

雑記1~「火の風にのって」鑑賞、戦争モノの是非について~

お疲れ様です。風邪で寝込んで箱根行きそびれた後藤です。

 

お世話になってるGEN(藤元志帆)さんが出演なさってると言うことで、21日に劇団空間演人さんの「火の風にのって」という舞台を見てきまして、

久々に号泣した。すごい泣いた。めちゃくちゃいい舞台だった。

思うことがあったのと、一週間たってやっと冷静に語れるようになったので記事にします。

頭で考えることと、心で思うことって違うよね

 

 

※多少のネタバレを含みます

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ざっくりとしたあらすじ

東京大空襲の最中、小学校に逃げ込んだ3人の女性。そのうちの女学生が、自分が生きた証として、日記帳を教室の隅に隠す。

時代変わって現代、廃校になった小学校に忍び込んで飲み会をやっていた20代の女の子3人が、教室の隅で、東京大空襲のときに書かれた日記を見つける。

その日記の落書きがきっかけで、時空が繋がってしまい、二組が会話できる状況に。

対話を通して、戦時に比べて豊かになった社会や、現代人の悩みがいかに幸せなことかに気づかされる。

 

感想 

 

実はこの手の主張が嫌いでして

 

確かに戦争っていう極限状態より現代のほうが豊かで平和で幸せに決まってる。

でも、そんな豊かな社会だからこそ、些細なことが死にたいくらい辛くなる。

豊かだから生きなきゃいけない辛さって、戦争だから生きられない辛さと同列で語れるものじゃないと思うんだ。全くもって性質がべつのもの。

比べること自体戦争で死んだ人たちに失礼だと思う。俺らも軽視されてると思う。

 

だから、現代社会特有の悩みに対して、「戦争の頃より幸せなんだから」っていう主張は余計に追い詰める行為だ。だって俺らにとって戦争は歴史だし、そんなものより今目の前で起きてる辛いことの方がよっぽどリアルでしんどい。

 

俺の考える反戦意識の正しい表現って、魍魎の箱みたいな話。

現代では狂気と言われることが、戦争っていう極限状態で普通のことになってしまっている状況

これを描くことで、こんな状況があって良い訳がないって思わせるような作品が、本当に反戦意識を持った作品だと思う。

 

 

そんな俺でも、この舞台は面白い!

 

俺はそういうドライな意見を持っている人間だけど、それでも戦争なんて絶対無いほうがいいし、こういう話でぼろぼろ泣ける。実際、この舞台見てすごい心にしみたし、二日に一回くらい死にたいって言ってる俺でも「生きよう」って思えた。

 

 

 

なぜか。

 

 

 

ひとえに役者の芝居と演出のおかげだと思う。いい演出と、迫力のある芝居で完全に世界観に引き込まれた。登場人物の話すことが、とても説得力を持って、リアルに感じた。どんな意見を持ってようと関係なく、引き込まれ、猛烈に感情移入してしまった。それくらいにこの舞台は、人をひきつける魅力を持っていたんだ。

 

優れた物語って言うのは、人を選ばず、心をひきつけるんだ

 

それともうひとつ。魍魎の箱みたいな話って泣けないんだよね。エンタメとしておもしろくない。っていうか、頭のいい人にしか刺さらない。

だったら多少不適切(あくまで俺にとっては、だけど)な論法使ってでも、たくさんの人が泣ける話作ったほうが良いじゃない。

 

 

以上、頭で考えることと、心で感じることって違うんだって話と、「火の風にのって」はすごくいい舞台だったって話でした。

 

 

 

最後に、お世話になってる役者さんと写真とったはいいけど、基本写真撮りなれてなくて、マックス照れた瞬間にシャッター切られて、そのままツイッターにあげられて後日なんか凹んだ写真をさらしておきます。

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(了)