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雑記5~SAKURA観劇のはなしと、時代劇のはなし~

ども、しこたま映画撮ってます。後藤です。

 

先日、お世話になってる藤元志帆さんご出演の舞台、劇団空感演人さんの「SAKURA」を観劇して来ましたので、その感想記事的なことと、時代劇って物語の構成によっていくつかに分けられるよねって話を書こうと思います。

 

 

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枕はこんなもんで本題

 

 

 

 

SAKURAのはなし

 

 

 

 

ちょっとしたネタバレ注意

 

 

 

 

 

三行くらいでなるべくネタバレしないようにあらすじを説明すると、

 

幕末の時代、原田左之助を頼って南部から京まで出てきた新撰組入隊希望の田上と、中岡新太郎を頼って土佐から京まで出てきた海援隊入隊希望の平野。本来敵対する立場の二人だったが、意気投合し、友達となってしまう。動乱の中、時代に翻弄される二人を描く。

 

みたいな話です。(雑)

 

 

まあとりあえず感想を。

 

まず、桜に関する台詞がめっちゃいい。物語が動く前触れに、必ず桜のことに関しての言及があるところがめっちゃエモい。いとをかし。すごく象徴的で心に突き刺さった。

 

BGMも、緊迫感や哀愁が増長される曲で、下手に何曲もつかわないで、一曲のみっていうのもそれを助長してると思う。小津的なね。

あれ逆にもっと明るめの曲ずっと流してたら、それもそれで行けそうじゃね?みたいな妄想してた。

 

また、途中で流れる「ええじゃないか」で狂気じみた時勢っていうのをすごく感じた。あの時代って、もう全員が異常だと思うんだよね。その感じ。すごく気持ち悪かった。あそこでぞわっとしてしまったのは俺だけだろうか。あれ使い道ありそうだなー、おんげんほしーなー

 

殺陣が少なめっていうのも個人的にはすごく好きで、クライマックスがすごくあっさりしてるのが、無常観をすごく感じて心を打った。

 

 

まとめるとすごい好きなやつだった。

 

 

 

時代劇の構成

 

 

せっかくなんで、いくつか例をあげて、時代劇の物語の構成について考え、そこからSAKURAについて考察していこうと思う。

 

まず、わかりやすく、江戸~明治以前の時代設定で描かれる物語のことを「時代劇」と定義しよう(元理系人のまず定義しないと気持ち悪くなる病)

 

そこで構造を説明するために割りと最近の時代劇の中から例として

 

水戸黄門(TVシリーズ)

超高速参勤交代(映画)

たそがれ清兵衛(映画)

 

を上げてみる。

 

水戸黄門

 

まず、TV時代劇代表で水戸黄門。だいたい毎回同じストーリー構成で、

 

旅する黄門様一行→酷い目にあってる町人とかに出会う→町人がぼこされる

→忍者が裏とってみんなで成敗(ちゃんばら)→紋所見せて悪が平伏(決め台詞

→旅に出る一行

 

この流れの繰り返しで成り立っている。

この構造のなにがいいって、安心して見れる。次何やるか大体わかるからね。

アンパンマンみたいなもんですよ。

他にも暴れん坊将軍や、必殺シリーズ等、TVシリーズの時代劇は大体この流れ

 

最後ちゃんばらを派手にやったり、必殺だったらかっこいい殺しをみせたりして、決め台詞言って終わり。

もうどうなるかわかってるんだけど、それが見たくて見てるからこれでいいんだよ!

 

あんパンチ→「ばいばいきーん」が見たいわけ。

 

だからそこに主軸を置いてある。正直話の内容とかあんま入ってこないけど、ちゃんばらかっこいいからいいやー、って言う見方もできるように構成されている。

 

 

超高速参勤交代

 

 

問題発生→ごり押しかちゃんばらで解決

 

 

これの繰り返し。(雑)

普通の映画と一緒だけど、解決の手段が時代に即したものである。

大体何か画的に派手な手段(ちゃんばらで戦ったり、山の中走ったり)をとる。

商業映画ならではだよね。お金かけれっから。

 

これのいいところは、ずっと派手なことやってるから見てて飽きない。

んで、最後の戦闘シーンとかもめっちゃ派手。そこで全部持ってくような構成。

 

たそがれ清兵衛

 

上と違ってあんまりちゃんばらしない。

人間ドラマが主軸の話。

 

時代設定などの説明→人間ドラマ→ちゃんばら

 

って言う流れで進んでいくタイプの映画。

 

このタイプは、最後のちゃんばらがすごくあっさり終わるタイプが多い。

そこがあっさり終わる分、丁寧に描いた人間ドラマがすごく映える。

SAKURAはここに入るかな。

舞台で時代劇やると、このタイプが多い気がする。

 

 

 

以上三つあげてみた。

 

 

結局

 

戦闘シーンに重きを置くか、人間ドラマに重きを置くか

 

で分かれている。

 

 

 

時代劇が描くもの

 

 

 

時代劇っていうと、大河ドラマみたいなお堅いイメージのものか、水戸黄門みたいなやつを思い描く人が多いけれど、結構いろいろなタイプがある。

 

超高速参勤交代みたいに、コメディタッチなもの。

関が原みたいな戦いをメインに描くもの。

たそがれみたいな人情話。

 

全てに共通することは、

 

「時代劇」という設定を使って、色んなジャンルのものを作っている。

 

ってこと。時代劇ってジャンルで括られるけど、その中でアクションもあればコメディもあれば、ドラマもある。銀魂の実写だって時代劇といえば時代劇だし。

 

だからつまり

 

アクションものや、人情ものを時代劇でやる

 

っていうイメージ

 

それぞれの作品によって、伝えたいテーマや、やりたいことが違うから、一口に時代劇って言っても、全く毛色のちがった作品になるんだ。

 

感覚的には落語にちかいのかも。

 

だから、もしごりごりの大河ドラマみたいなやつ見てつまんないっておもっても、のぼうの城とか、清洲会議みたいな、コメディタッチのものみたらおもしろいと感じるかもしれない。

 

 

 

まとめ

 

 

上で言ったことを踏まえてSAKURAを見てみると、この舞台は、人情劇を時代劇で表現したもの、と見ることができる。そう考えたとき、殺陣が最後まで無くて、最後もすごくあっさりしているっていう構成は物語の構成的にも、人物設定的にもすごくマッチしているんじゃないだろうか。

 

俺も泣きそうになったし。

 

 

 

ってことで、今回はここまで。

 

 

 

P.S.

女の子と写真撮ると気持ち悪い照れ方しちゃうんで今回は逃げてきました。

藤元さんめっちゃ良い芝居してました。誘っていただきありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

(了)